サンモリッツのガイドブック

ST. MORITZ

スイスに数あるアルペンリゾートの中でも、その優雅さを競うなら1、2を争うのがここサンモリッツ。1928年と1948年の2回、冬季オリンピックの開催地となったウィンタースポーツの聖地でもあります。

サンモリッツ湖の北から西にかけてを囲いこむように村があり、北側の丘の上のドルフ地区(St. Moritz-Dolf)と西側の平野部にあるバート地区(St. Moritz-Bad)に分かれています。ドルフ地区は行政的にも村の中心で、ホテル・レストラン・ショップなどが多くあるエリア。バート地区はその名前の通り温泉の湧出する保養地で、サンモリッツの村そのものの発祥はこちら側。エンガディンバスの循環バスで行き来できるほか、徒歩でも移動できる距離にあります。

年間平均320日程度の晴天に恵まれることでも有名で、澄んだ空気とその気候から「シャンパン気候」とも呼ばれています。

サンモリッツはドイツ語圏ではあるものの日常的にロマンシュ語も使われる地域で、通りの名前などは伝統的にロマンシュ語で表記されています。世界的リゾート地だけに、駅やホテル、観光地などでは問題なく英語も通じます。

基礎自治体
Gemeinde/Commune/Comune
サンモリッツ
St. Moritz
San Murezzan
所属州
Kanton/Canton/Cantone
グラウビュンデン州
Kanton Granbünden
Chantun Grischun
言語
Sprache/Langue/Lingua
ドイツ語(スイス・ドイツ語)
ロマンシュ語
郵便番号
Postleitzahl/Code postal/Codice Postale
7500
標高
Höhe/Altitude/Altitudine
1,822m
人口
Einwohner/Population/Abitanti
5,084人(2016年)
行政ウェブサイト www.gemeinde-stmoritz.ch/

サンモリッツへのアクセス・交通

サンモリッツ駅は湖がイン川へ流れだすポイント近くにあり、丘の上にあるドルフ地区からはちょうど見下ろすような位置にあります。

この駅はレーティッシュ鉄道(RhB)の駅で、クール方面へ向かうアルブラ線、ポントレジーナ・ティラノ(イタリア領)方面へ向かうベルニナ線の列車が発着しています。ツェルマット〜サンモリッツ間を運行する氷河急行、サンモリッツ〜ティラノ間を運行するベルニナ急行の起点でもあるので、時間帯によってはかなり混雑することも。駅前のバス停からはエンガディンバスとポストバスが発着していて、まさにエンガディン地方の旅の拠点がココ。

各地からの所要時間は、チューリッヒ中央駅から3時間20分、ジュネーブ(コルナヴァン)駅から6時間15分、バーゼルSBB駅から4時間2分、ベルンから4時間7分(すべてクール経由)。

サンモリッツと周辺の交通機関

サンモリッツの村内と周辺は主に鉄道とバスで移動が可能です。サンモリッツ中心の交通機関(鉄道、ポストバス、エンガディンバス、自治体運営のバス)は「Engadinmobil」というネットワークでまとめられていて、料金も統一されています。

駅からドルフ地区やバート地区へはやや距離があるので、3番系統バス(Ortsbus St. Moritz)の利用が便利。サンモリッツ駅前〜ドルフ地区(シュールハウス広場等)〜バート地区を巡回しています。

マロヤ、シルヴァプラナ、シルス・マリア、サメダン、ポントレジーナ方面へもバスで移動可能です。

ベルグバーネン・インクルーシブについて

サンモリッツのほとんどのホテルでは、チェックイン時に「ベルグバーネン・インクルーシブ Bergbahnen Inklusive」カードを受け取ることができます。

これがあるとサンモリッツを含むエンガディン地方の交通機関が滞在中ずっと無料で乗り放題となる超お得なカード。5月1日〜10月31日の宿泊・利用限定で、夏のサンモリッツ滞在の必須アイテムです。

Bergbahnen Inklusive 適用交通機関

鉄道・バス区間
  • エンガディンバス(21:30以降の夜間バスは適用外)
  • ポストバス(Postauto)
  • サンモリッツ村内バス(Ortsbus)
  • レーティッシュ鉄道(2等)

利用可能な範囲はチニュオス・シェル・ブライユ(Cinuos-chel-Brail)からマロヤまでの南北間にある上記4つの交通機関と、サンモリッツ〜アルプグリュム(レーティッシュ鉄道ベルニナ線)、サメダン〜ポントレジーナ、シュピナス〜サンモリッツ、サメダン〜ポントレジーナ(いずれもレーティッシュ鉄道アルブラ線)

それ以外の交通機関
  • サンモリッツ〜チャンタレッラ〜コルヴィリア〜ピッツナイル間のケーブルカー・ゴンドラ
  • スヴレッタ〜ランドリンス間のチェアリフト
  • サンモリッツ・バート〜ジグナル間のゴンドラ
  • ポントレジーナ〜アルプ・ラングアルド間のチェアリフト
  • ベルニナ・ディアヴォレッツァ〜ディアヴォレッツァ間のゴンドラ
  • チェレリナ〜マルグンス間のロープウェー
  • マルグンス〜トライス・フルオールス間のチェアリフト(金曜のみ)
  • シルス〜フルチェラス間のゴンドラ
  • プント・ムラーユ〜ムオッタス・ムラーユ間のケーブルカー

ホテル&スキーバスについて

ベルグバーネン・インクルーシブの冬バージョンで、サンモリッツにある約100軒の参加ホテルに1泊以上宿泊すると、滞在中にスキーバスが1日あたりCHF38.00で購入できます。

通常スキーバスは2日券でCHF156.00となるため、1日あたりでは実質ほぼ半額で購入できる計算。スキー場だけではなく、オーバーエンガディン地方全体の交通機関が無料で利用でき、「ベルグバーネン・インクルーシブ」にスキーパスがセットになったような形。

サンモリッツの主な見どころ

サンモリッツは世界的な高級リゾート地でもあるので、ドルフ地区を中心にブランドショップや高級レストランなども立ちならんでいます。どちらかというとバート地区のほうがのんびりした雰囲気。

ピッツ・ナイル
Piz Nair

ピッツナイルはサンモリッツの西側にある標高3,056mの山で、頂上より20mほど下のところに展望台があり、そこまでゴンドラで行くことができます。シュタインボックの銅像が谷を見下ろすように建っていて、オーバーエンガディンの谷とそのむこうのベルニナ・アルプスの遠景を眺めることができます。

夏はゴツゴツした岩肌が目立ちますが、冬は当然一面の銀世界。ここはこの一帯に広がるスキーエリアの最高地点で、中腹の中心地点コルヴィリア(Corviglia)はもちろん、ドルフの村の中までスキーで下りることができます(標高差約1,100m!)。

ピッツナイルへの行き方

サンモリッツ・ドルフの中心、シュールハウス広場(Schulhausplatz/Plazza da Scuola)に面した図書館(Leihbibliothek)の左の道を入ったところのケーブルカーを利用、途中チャンタレッラ(Chantarella)で乗り換えて、まずコルヴィリアへ。コルヴィリアで一旦外に出て、すぐそばのゴンドラ駅へ。サンモリッツ〜ピッツナイルの所要時間は30分〜40分程度。

サンモリッツ〜チャンタレッラ〜コルヴィリア〜ピッツナイル間のケーブルカー・ゴンドラの運行期間は12月上旬〜4月上旬(スキーシーズン)と6月下旬〜10月中旬で、それ以外の時期は運休。

料金・割引情報

サンモリッツ〜ピッツナイル往復(夏季):CHF69.00
サンモリッツ〜ピッツナイル(冬季):CHF75.00
※冬季はスキーパスがあれば全区間乗り降り自由(2日券CHF156.00〜)

スイストラベルパス・トラベルパスフレックス:利用不可
トランスファーチケット:利用不可
ハーフフェアカード・GA:利用不可
Bergbahnen Inklusive:無料

コルヴィリア
Corviglia

サンモリッツ・ドルフ地区からチャンタレッラ経由のケーブルカーで登ることができる山の中腹にあたる場所で、冬季のスキー/スノーボードの拠点として機能しています。

冬季はこの一帯(ピッツ・ナイルも含めて)そのものがコルヴィリアと呼ばれ、世界中から多くのスキーヤーが訪れます。1928年・1948年の冬季オリンピックのメイン会場でもあり、FISワールドカップをはじめ国際大会の会場にも度々なっています。リフト22本・全30コース。最大高低差約1,100mの広大なゲレンデですが、全体的にレベルが高いというわけでもなく、初心者・中級者用のコースやスノーパークも充実しているので家族連れなどでも長期で楽しめるスキーエリアです。醍醐味はなんといってもピッツ・ナイルからサンモリッツの村までスキーで下る超ロングコース。ベルニナ・アルプスと眼下の湖を眺めつつ滑る気分はスキーヤー・ボーダーなら一度は味わってみたいもの!

ドルフ地区とコルヴィリアの間にある乗換駅、チャンタレッラはハイキングとスノートレッキングの拠点。特に6月から積雪前まで(10月頃)の時期に通ることができる「ハイジ・ブルーメンウェグ(花の道) Heidi Blumenweg」という1キロ程度のお手軽ハイキングコースがあり、なんと約200種類もの花と植物が植えられています。またこのコースにはTVドラマ版の「ハイジ」の撮影に使われたハイジの家があり、マイエンフェルトよりもこちらのほうが山々しい感じがあって雰囲気が出ている気がしないでもない場所です。

コルヴィリアへの行き方

サンモリッツ・ドルフの中心、シュールハウス広場(Schulhausplatz/Plazza da Scuola)に面した図書館(Leihbibliothek)の左の道を入ったところのケーブルカーを利用、途中チャンタレッラ(Chantarella)で乗り換えて約20分。

サンモリッツ〜チャンタレッラ〜コルヴィリア間のケーブルカー運行期間は12月上旬〜4月上旬(スキーシーズン)と6月下旬〜10月中旬で、それ以外の時期は運休。

料金・割引情報

サンモリッツ〜ピッツナイル往復(通年):CHF50.00
※冬季はスキーパスがあれば全区間乗り降り自由(2日券CHF156.00〜)

スイストラベルパス・トラベルパスフレックス:利用不可
トランスファーチケット:利用不可
ハーフフェアカード・GA:利用不可
Bergbahnen Inklusive:無料

サンモリッツ湖
Lej da San Murezzan

列車でサンモリッツに到着すると、左側に青々とした水をたたえる湖とベルニナ・アルプスをいきなり見ることができます。でもこれは夏限定の話。?と思われるかもしれませんが、冬場は全面的にカチコチに凍った上に雪が積もり、湖がそっくりそのまま広大な広場になります。そのど真ん中に車道ができていたり、毎年2月にはこの氷の上で競馬(White Turf St. Moritz)まで行われるほど丈夫なので、開放されていれば基本的にどこを歩いても大丈夫です。コルヴィリアから飛んでくるハンググライダーやパラグライダーの着地ポイントでもあるので、くれぐれも頭上にはご注意を(スキーを履いたまま滑走して着陸します)。

周囲は約5キロに渡って散歩コースが整備されているので、夏のあいだはさわやかな空気を感じつつ、湖とベルニナ・アルプスを眺めながらの散歩が楽しめます。

セガンティーニ美術館
Segantini Museum

エンガディン地方を愛し、この地方を景色をモチーフにした作品を数多く残したイタリア人画家ジョヴァンニ・セガンティーニの美術館。1908年開館で、1999年に没後100周年を記念してリニューアルされました。

彼の代表作でもある三部作「生 La Vita」・「自然 La Natura」・「死 La Morte」は、外からもわかる円形ドーム部分(2階)に展示されています。美術館から見て湖の対岸にあるシャフベルクの山小屋(セガンティーニヒュッテ Segantinihütte)死の直前までこの三部作を描き続け、残念ながら「自然」と「死」は未完のままとなりました。セガンティーニの作品の特徴は、彼以前は難しいとされていた印象派の画法によるアルプスの風景の描写を、その技法を継承しながら空気感を忠実に再現したことにあります。彼の愛した風景がそのまま残るマロヤやブレガリア谷などを作品を見てから訪れると、感慨深いものがあります。

アクセスはドルフ地区のシュールハウス広場から、バート地区やシルヴァプラナへ向かうバス道(Via Somplaz)を歩いて10分ほど。バス2番・5番の美術館と同名の停留所下車すぐ。開館時間は5月下旬〜10月下旬・12月上旬〜4月下旬の10:00〜18:00で、月曜日休館。12:00〜14:00は昼休みで入場不可。入場料CHF10.00。

エンガディン博物館
Engadiner Museum

セガンティーニ美術館よりも湖寄りを並行する道路(Via dal Bagn)沿いにある博物館で、グラウビュンデン州、特にエンガディン地方の家具や調度品、農業器具、衣装などを中心に約2,300点を展示しています。外観もスグラフィートの施された伝統的なエンガディン地方の邸宅風で、1906年に完成したもの。展示品は元々は個人コレクションだったというのが驚き。

アクセスはドルフ地区のシュールハウス広場から歩いて約10分ほど。開館時間は5月と11月以外の月曜〜金曜、10:00〜12:00・14:00〜17:00。入場料CHF8.00。

ハイルバート
Medizinisches Therapiezentrum Heilbad

元々サンモリッツは、エンガディン地方でよく見られるような湯治の村で今でもその名残をバート地区(直訳すれば温泉地区)で見ることができます。

ハイルバートは「医学療法スパ Medizinisches Therapiezentrum」で、科学的根拠に基づいた入浴法を体験できる施設です。サンモリッツで湧出している温泉はヨーロッパ1とも言われる濃度の炭酸泉で、飲んでみると確かに炭酸。コースは温泉のみ、フェイシャルパック、ボディパック、マッサージ、電磁療法などいろいろあるので、興味のある方は是非。炭酸泉入浴のみはCHF35.00、アロマオイルなどを湯船に加えるオプションが追加CHF5.00〜など。

併設してジム、スイミングプールもあります。温泉のみの利用であれば水着・バスタオルは不要です。

アクセスはバス1・4番・6番でサンモリッツ・バート・ジグナルバーン(St. Moritz Bad Signalbahn)下車、徒歩3分ほど。開館時間は月曜日〜土曜日の8:00〜19:00で、土曜日は12:30で閉館となります。

レーティッシュ鉄道 アルブラ線・ベルニナ線
Rhätische Bahn Albulalinie / Berninalinie

この路線はスイスを代表する特別列車、氷河急行(Glacier Express)とベルニナ急行(Bernina Express)がどちらも走る路線で、2008年にはこの路線そのものがユネスコ世界遺産に登録されました(鉄道関連の世界遺産としては3例目)。

アルブラ線(Albulalinie)は1904年に全線開通したクールからサンモリッツまでの路線。総延長は89キロのメーターゲージ(線路幅1000mm)路線で、途中41のトンネル、50の橋、最大標高差は約1,300mと登山鉄道といってもいいようなデータですが、他のレーティッシュ鉄道の路線と同じく、ラックレールは使わずにループ線やトンネルで高度を稼いでいくスタイルを採っています。

クールを出発すると、一旦ライン川沿いを西へ走りライヒェナウ・タミンス(Reichenau-Tamins)へ向かいます。ここでディゼンティス、アンデルマット方面へ伸びるオーバーラント線と分岐して南下、ヒンターライン川、ユリア川などに沿ってユリア峠などの旧街道の拠点だった村ティーフェンカステル(Tiefencastel)を過ぎると、ここからはいよいよアルブラ谷(Albulatal)へ。しばらくすると右手前方にカーブしながら川を渡る高さ65メートルの石造橋「ランドヴァッサー橋 Landwasserviadukt」が見えてきます。ここはレーティッシュ鉄道としても、氷河急行・ベルニナ急行の車窓としても最大の見どころのひとつ。この橋を渡る姿を車窓から撮るには、できるだけ列車編成の後方で、右側の進行方向を向いた席を確保することをオススメします。

ランドヴァッサー橋を過ぎてしばらくするとダヴォスからの路線が合流・分岐するフィリズール(Filisur)に到着。ここからはさらに高度を上げ、この先のベルギュン(Bergün/Bravuogn)、プレダ(Preda)までの間に複数回ループを繰り返してラストスパートに入ります。プレダを過ぎると、ライン川水系とドナウ川水系の分水嶺でもあるアルブラ峠を貫くアルブラトンネル(全長5,866m)に入り、トンネルを抜けるとそこはもうオーバーエンガディン地方。サメダン(Samedan)でシュクオル方面(エンガディン線)とポントレジーナ方面(ベルニナ線)と分岐して、最後の大きくカーブするトンネルを抜けると左手に湖が見え、終点サンモリッツ駅に到着します。

ベルニナ線(Berninalinie)はサンモリッツからイタリア領ティラノへ至る路線で、1913年に全線で運行を開始しました。総延長60.7キロのメーターゲージ路線で、途中のトンネルと橋の数は共に11。

この路線の特徴は、ラックレールなどを使わない通常の鉄道ながら標高差が1,823mもあることと、途中で車窓からモルテラッチュ、カンブレナ、パリュの3つの氷河を見ることができること。氷河急行の路線よりも線形がダイナミックで、かつ氷河も間近に迫る迫力の車窓を楽しむことができます。

この路線を走るベルニナ急行はサンモリッツ〜ティラノ間の他に、サンモリッツを経由せずサメダンからポントレジーナへショートカットするクール発着・ダヴォス発着のパターンがあります。また、氷河急行は複数の鉄道会社を経由するためツェルマット〜サンモリッツ間直通列車がありませんが、こちらは全線レーティッシュ鉄道の路線なのでベルニナ急行の他にも全く同じルートを走る通常の列車が多数あるのも特徴です。

ベルギュン/ブラヴォン
Bergün/Bravuogn

ベルギュンはアルブラ谷(Albulatal)にある、かわいらしい家や教会が並ぶ小さな村です。ベルギュン駅は氷河急行・ベルニナ急行の停車駅でもあるので、サンモリッツまで行かずあえてこの静かな場所で滞在する旅行者も多い場所。2012年の夏には駅前にアルブラ線やレーティッシュ鉄道の歴史やシミュレーション、鉄道模型などを展示するアルブラ鉄道博物館(Bahnmuseum Albula)が開館しました。

ベルギュンはもちろん列車で訪れるのが一般的ではありますが、冬にちょっと面白いアクセスをしたい方にはぜひソリをオススメします!サンモリッツ寄りのプレダ(Preda)の村からベルギュンまでの車道(というよりもアルブラ峠越えの車道全線)が冬は通行止めになり、全長6キロほどのこの部分がソリコース(Schlittelbahn Preda-Bergün)として整備され、ある意味有効活用されています。

ソリはプレダのスキーショップでレンタル可能で、1台CHF8.00〜28.00。サンモリッツではレンタルと往復の列車チケットのセットなども販売されています。コースの営業期間は12月中旬〜3月中旬で、10:00〜16:45です。火曜日〜日曜日の18:45〜23:30はナイター営業もあります。途中アルブラ線の線路の下を潜ったり、森の中を通り抜けたりとスリル満点ですが、傾斜はさほどきつくないので初心者や子供さんでも安心なアクティビティです。シーズンにはベルギュンからプレダへ戻る列車が30分に1本はシャトル運行されているので、列車をスキー場のリフトのような使い方をして何回でも滑ることができます。

ポントレジーナ
Pontresina

ポントレジーナはサンモリッツ・サメダン方面から伸びるベルニナ線が谷へと入っていくちょうど入口にある村。サンモリッツからは列車で10分程度なので、賑わうサンモリッツを離れて静かに滞在したい人にもオススメです。

エンガディン地方独特の雰囲気を持つ村で、スグラフィートで美しく彩られた家々が立ち並んでいます。ポントレジーナ駅と村の中心は少し離れていて、駅から伸びる道を歩いて川を渡ると村に入ります。エンガディンバスの1番・2番がサンモリッツの駅、ドルフ地区とそれぞれ路線があり、ポントレジーナ駅と村の中のいくつかの停留所(Post、Rondoなど)に停車するので、大きい荷物があるときは列車よりもバスのほうが便利です。

ムオッタス・ムラーユ
Muottas Muragl

サンモリッツの東、ポントレジーナの少し手前にあるプント・ムラーユ(Punt Muragl)からケーブルカーで登る展望台で、スイスの展望台としては珍しく夜まで営業しているのが特徴

展望台(2,453m)にはレストラン・ホテル(Berghotel Muottas Muragl)もあり、谷に差し込む朝日やベルニナ・アルプスがあかね色に染まる夕焼けの時間帯がオススメ。晴れていれば正面にサンモリッツからマロヤ峠方面の湖やピッツ・ユリア(Piz Güglia 3,380m)などを見ることができます。

ここからセガンティーニがアルプス三部作を描いたアトリエでもあるセガンティーニ小屋(Segantinihütte 2,731m)を経由して南のアルプ・ラングアルド(Alp Languard)までのハイキングコースは一部で少し難易度高めながらもオススメ(要装備)。セガンティーニ小屋はレストランになっているので、途中の休憩ポイントに最適です。

また冬季には展望台からプント・ムラーユまでソリで下るコース(Schlittelweg)がオープンします。

ムオッタス・ムラーユへの行き方

アクセス拠点となるプント・ムラーユまではエンガディンバスもしくは列車で行くことができますが、「プント・ムラーユ駅」は2つあるので注意が必要です。ケーブルカー乗り場に近い駅はサメダン〜ポントレジーナ間の列車が停車する駅で、サンモリッツ〜ポントレジーナ間の列車の停車する方の駅は同じ駅名ながら川を挟んで300mほど南にあります。エンガディンバスの場合は1番・2番のプント・ムラーユ・タルスタシオン(Punt Muragl Talstation)下車。ケーブルカーは6月初旬〜10月下旬、12月中旬〜4月初旬の7:45〜23:00の運行で、所要約10分。

料金・割引情報

プント・ムラーユ〜ムオッタス・ムラーユ往復(通年):CHF35.00
プント・ムラーユ〜ムオッタス・ムラーユ往復(通年・18時以降):CHF15.00
※冬季はソリコースの利用1回分が込み

スイストラベルパス・トラベルパスフレックス:利用不可
トランスファーチケット:利用不可
ハーフフェアカード・GA:利用不可
Bergbahnen Inklusive:無料

ディアヴォレッツァとモルテラッチュ氷河
Diavolezza / Vedret da Morteratsch

ディアヴォレッツァはベルニナ・アルプスを挟んでサンモリッツやシルヴァプラナのある谷の反対側にあたる場所にある2,984mの展望台で、「美しい女悪魔=La Diavolezza」の伝説の残る場所。頂上展望台まではレーティッシェ鉄道のベルニナ・ディアヴォレッツァ駅前から大型のゴンドラで上がることができます。

眼下にディアヴォレッツァ湖(Lej da Diavolezza)などを見つつ頂上駅までは約10分。北のムント・ペルス(Munt Pers 3,207m)とピッツ・トロヴァ(Piz Trovat 3,146m)の稜線上にあり、目の前にダイナミックなペルス氷河(Vedret Pers)が流れています。氷河のむこうにそびえる山々は南(左)からピッツ・パリュ(Piz Palü 3,905m)、ベッラヴィスタ(Bellavista 3,922m)、ピッツ・ベルニナ(Piz Bernina 4,049m)、ピッツ・モルテラッチュ(Piz Morteratsch 3,751m)など。ペルス氷河はピッツ・モルテラッチュの下でモルテラッチュ氷河に合流していて、全長10キロにも及ぶ氷河スキーコース/スノートレイルコースになっています。それ以外にも冬場は全10コースのスキーエリアとなり、比較的オープン時期も他に比べて早い傾向にあります。

モルテラッチュ氷河(Vedret da Morteratsch)はそのまま下のモルテラッチュ駅から歩いて40分ほどのところまで達しているので、駅からの軽いハイキング(というより散歩感覚)で簡単に行くことができます。もともと氷河はもっと下流まで達していたものの年々後退を続けているため、このコースそのものが氷河の侵食によってできた谷。道すがら氷河の末端があったポイントと年度を示したプレートがあるので、自然の勢いや力を感じることができる絶好の場所でもあります。

ディアヴォレッツァへの行き方

サンモリッツからティラノ方面へ向かう列車で約40分のベルニナ・ディアヴォレッツァ(Bernina-Diavolezza)駅で下車、駅前の乗り場からゴンドラで頂上まで所要約10分。ゴンドラの運行期間は基本的に通年運行ですが、5月頃と10月〜11月頃にメンテナンスのため運休することがあります。

料金・割引情報

ベルニナ・ディアヴォレッツァ〜ディアヴォレッツァ往復(通年):CHF36.00

スイストラベルパス・トラベルパスフレックス:利用不可
トランスファーチケット:利用不可
ハーフフェアカード・GA:利用不可
Bergbahnen Inklusive:無料

ラーゴ・ビアンコ
Lago Bianco

ベルニナ急行沿線の車窓ハイライトのひとつでもあるラーゴ・ビアンコは、その名のとおり湖面が白く見える湖で、レーティッシュ鉄道オスピツィオ・ベルニナ駅(Ospizio Bernina)とアルプ・グリュム駅(Alp Grüm)間のティラノ方向を向いて右側にあります。湖のむこうに見える氷河はカンブレナ氷河(Vadret dal Cambrena)で、その氷河が溶けて流れ出た水がこのラーゴ・ビアンコを作り出しています。湖が白い理由は氷河に含まれている石灰分や小さな鉱物が混ざっているため。曇っていると若干にごって見えてしまうので、是非晴れの太陽光がたっぷりある日に訪れることをオススメします。ちなみにこの湖、発電用の人工の湖で、南端にダム施設があります。ここから隣駅のアルプ・グリュムまでのハイキングはこのエリアでもかなりの人気を誇るルート。白い湖と氷河と山々と赤い電車の絵は何枚写真を撮っても飽きないほどの景色です。

オスピツィオ・ベルニナ駅はレーティッシェ鉄道ベルニナ線の最高到達地点(2,253m)でもあり、駅から少し上がったところがベルニナ峠(Berninapass)。ここを境にドイツ語/ロマンシュ語圏が終わり、これより南はイタリア語圏となります。