スイスについての基礎知識&データ集

スイスってどんな国?About Switzerland


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スイスはヨーロッパ中西部、フランス、ドイツ、オーストリア、リヒテンシュタイン、イタリアと国境を接する内陸国です。首都はベルン(Bern)で、最大の都市はチューリッヒ(Zürich)、その他ジュネーブ(Genève)、バーゼル(Basel)などの都市があります。

面積は九州より少し大きい程度(東京23区の2倍に相当)で41,290平方kmで、四国に似た形をしています。人口は約750万人で、そのうち20%程度が外国人と比較的その比率が高いのも特徴です。

「スイスの言語」の項でもご紹介しているとおりスイスには4つの公用語があり、それぞれ国名の正式名称があります。ドイツ語では「Schweizerische Eidgenossenschaft(スイスドイツ語ではSchwiizerischi Eidgnosseschaft)」、フランス語は「Confédération Suisse」、イタリア語は「Confederazione Svizzera」、そしてロマンシュ語では「Confederaziun Svizra」といいます。スイスフラン紙幣などにはこれらが全て印刷されていますが、硬貨などスペースの都合上すべて記載できない場合にはラテン語の「Confoederatio Helvetica」が用いられています。車の国籍を表すステッカーや郵便番号の頭についている「CH」とはこの略のことです。

「Eidgenossenschaft」とは「誓約者同盟」の意で、1291年にリュトリの丘で交わされた原始3州(シュヴィーツ、ウーリ、ウンターワルデン)の誓約が由来。その後徐々に加盟州を増やし、1648年には加盟州地域が神聖ローマ帝国から正式に独立を果たしました。その後も18世紀のフランス侵略や2度の世界大戦で脅威にさらされたものの、独立国家としての地位を失うことなく今日に至っています(1798年〜1803年の間はフランスの傀儡国家へルヴェティア共和国。中央集権を国是としたもののわずか5年で崩壊)。

スイスの言語Language in Switzerland

4ヶ国語で表記された駅の注意案内板

スイスは地理的・歴史的理由から、4つの公用語が定められています。最も話者が多いのはドイツ語で全体の約65%。主にスイス北部と東部で使用されています。続いてフランス語の約20%(スイス西部地域)、イタリア語の約10%(ティチーノ州)、残りがロマンシュ語(グラウビュンデン州など)他となっています。

また、英語もよく通用するので公用語と思われがちですが、実はそうではありません。ただ、ドイツ語圏の人とフランス語圏の人が会話する際など、必ずしもお互いが完璧に理解できる言語を使えないという場合に便宜上英語が使われたりということがよくあります。これはスイスの初等〜中等教育で複数言語の習得が義務付けられているためで、2〜3ヶ国語を操るスイス人は結構普通で、5ヶ国語使えるという人もそう珍しいことではありません。我々日本人からしてみると、なんとも羨ましい話ですね。

空港や駅、旅行者の利用が多い場所などでの案内表示は基本的に多言語表示されています。日本語での表記がある場所も意外と多いので安心です。スイス国鉄の車内放送では通常3ヶ国語以上で行われ、車掌も3ヶ国語は基本的に喋ることができます。(車内放送はローカル線や優等列車以外の列車の場合は無い、もしくは1言語のみということもあります)

ちなみにスイスで用いられているドイツ語は公共の場やテレビニュースなどではドイツで使われている標準的なドイツ語(ホーホ・ドイチュ)ですが、一般的な会話や学校教育ではドイツ語の方言である「スイスドイツ語(Schweizerdeutsch/Schwyzerdütsch)」が用いられています。標準ドイツ語とスイスドイツ語ではボキャブラリーや発音に大きな差があり、方言というよりはもはや別の言語のようなものになっています。また、スイス国内でも地域によってさらにその方言があるため、標準ドイツ語しか習得していない人がスイスドイツ語を理解するのは簡単ではありません。

また、フランス語もドイツ語ほどでは無いにしろフランス本国とは若干の差があり、例えば数字の数え方などが異なります。(例:フランス語で80はキャトルヴァン Quatre-vingt、スイスではウィトント Huitante)。

スイスの政治・軍事についてPolitics and Military of Switzerland

スイス連邦政府国民院本会議場

スイスは連邦国家であり、スイス連邦議会(Bundesversammlung)を頂点として両院制の議会で構成されています。内閣である連邦参事会(Bundesrat)は7人の連邦参事官で構成され、その中から1人が連邦大統領(Bundespräsident)に任命されます。この大統領職は任期が1年に定められているため、毎年大統領が変わるという世界でも珍しい制度が取られています(連邦大統領は名誉職的な意味合いが強く、国家としての実質的な権限は連邦政府にあります)。2010年1月1日〜12月31日はドリス・ロイトハルト女史が連邦大統領職にあります。

連邦議会は2院で構成され、比例代表制の直接選挙で議員が選出される国民院(200議席)と州代表の全州院(46議席)があります。特徴的なのは国民による政治参加が活発なことで、国民発議(イニシアティヴ)と国民投票(レファレンダム)といった直接民主制が憲法で認められており、実際に国民投票は非常に多くなっています。2002年9月10日には国民投票によって1945年に設立されてから参加していなかった国際連合に190番目の加盟国として参加することが決定されています。(欧州連合には未加盟)

スイスは1815年のウィーン会議以来、永世中立国の地位を維持しています。永世中立国とは他国同士の戦争・紛争には不介入の立場を維持する国のことですが、日本のように「戦争に参加しない」ということではなく、自国がその脅威にさらされた場合は防衛のための戦争を行うというスタンスを取っています。当然、国土の防衛のためにスイス正規軍(陸軍・空軍)が存在し、男子の国民全員に徴兵の義務が課せられています(国民皆兵制度)。

スイスの26州(カントン)についてSwiss 26 Cantons

スイスの26州(カントン)について

スイス連邦は26の州(カントン)により構成されていて、そのうち6つは準州という扱いになっています(連邦議会における議員配分が通常州は2名に対し、準州は1名)。26のカントンはそれぞれ独自の憲法、議会、政府、裁判所を持っており、スイス連邦憲法によって規定されている連邦政府の権利以外の事項についてはそれぞれのカントンの政府が担当する権利を保有しています。ここでスイス独特とも呼べる制度が「直接民主制」です。現在、24のカントンでは「議会民主制(住民投票によって選出された議員によって、議会での決定を行う)」が採用されていますが、アッペンツェル・インナーローデン州とグラールス州では「直接民主制」の伝統が残っており、毎年1回街の広場に有権者が集まり青空議会が開催されます。(アッペンツェルは毎年4月最終日曜、グラールスは5月第1日曜開催)

略号州名州都公用語
AGアールガウ(Aargau)アーラウ(Aarau)ドイツ語
AIアッペンツェル・インナーローデン(Appenzell Innerrhoden)アッペンツェル(Appenzell)ドイツ語
ARアッペンツェル・アウサーローデン(Appenzell Ausserrhoden)ヘリザウ(Herisau)ドイツ語
BSバーゼル・シュタット(Basel-Stadt)バーゼル(Basel)ドイツ語
BLバーゼル・ラント(Basel-Landschaft)リースタール(Liestal)ドイツ語
BEベルン(Bern)ベルン(Bern)ドイツ語
FRフリブール(Fribourg/Freiburg)フリブール(Fribourg/Freiburg)フランス語・ドイツ語
GEジュネーブ(Genève)ジュネーブ(Genève)フランス語
GLグラールス(Glarus)グラールス(Glarus)ドイツ語
GRグラウビュンデン(Graubünden)クール(Chur)ドイツ語・イタリア語・ロマンシュ語
JUジュラ(Jura)ドゥレモン(Delémont)フランス語
LUルツェルン(Luzern)ルツェルン(Luzern)ドイツ語
NEヌーシャテル(Neuchâtel)ヌーシャテル(Neuchâtel)フランス語
NWニートワルデン(Nidwalden)シュタンス(Stans)ドイツ語
OWオプワルデン(Obwalden)ザルネン(Sarnen)ドイツ語
SHシャフハウゼン(Schaffhausen)シャフハウゼン(Schaffhausen)ドイツ語
SZシュヴィーツ(Schwyz)シュヴィーツ(Schwyz)ドイツ語
SOソロトゥルン(Solothurn)ソロトゥルン(Solothurn)ドイツ語
SGザンクト・ガレン(St. Gallen)ザンクト・ガレン(St. Gallen)ドイツ語
TGトゥールガウ(Thurgau)フラウエンフェルト(Frauenfeld)ドイツ語
TIティチーノ(Ticino)ベリンツォーナ(Bellinzona)イタリア語
URウーリ(Uri)アルトドルフ(Altdorf)ドイツ語
VSヴァレー/ヴァリス(Valais/Wallis)シオン(Sion)フランス語・ドイツ語
VDヴォー(Vaud)ローザンヌ(Lausanne)フランス語
ZGツーク(Zug)ツーク(Zug)ドイツ語
ZHチューリッヒ(Zürich)チューリッヒ(Zürich)ドイツ語
★1999年憲法に明記された26州に準拠(うち*印は準州)

スイスの通貨についてCurrency of Switzerland

スイスの通貨はスイスフラン(Schweizer Franken/Franc suisse)で、Sfr.やCHFで表記されます。補助通貨はラッペン(Rappen・ドイツ語)もしくはサンチーム(Centime・フランス語)と呼ばれ、日本語ではサンチームの呼び方がどちらかと言えば主流です。100サンチームで1フランとなり、通常は12.90Sfr.やCHF0.85というようにフランのみを基本単位として使用するため、サンチーム単位は小数点以下で表記されます。90年代までは1、2サンチーム硬貨も流通していましたが、現在では5サンチーム以下の硬貨は廃止されているため、最小単位はSfr.0.05となっています。

スイスフラン現行硬貨・紙幣一覧

紙幣は10フラン、20フラン、50フラン、100フラン、200フラン、1000フラン(!)が流通しており、90年代後半〜2000年代前半に発行された「8.Serie Bankonoten(第8次シリーズ紙幣)」と呼ばれるシリーズです。大胆なカラフルな色使いで財布の中でもわかりやすく、また非常に高度な偽造防止技術を用いて作られています。余談ですが、10フラン札に描かれている肖像はラ・ショード・フォン出身の世界的建築家ル・コルビュジェ(Le Corbusier 1887-1965)で、メガネをずり上げる仕草がオシャレで、実に良い表情なのでお気に入りです。

硬貨は5・10・20サンチーム、1/2・1・2・5フランの6種類。5サンチームのみアルミ黄銅貨(金色)で、その他は全て白銅貨(銀色)です。デザインも5フラン硬貨以外はほぼ全て共通で、フラン硬貨はへルヴェティア女神の立像、サンチームは頭像、そして5フラン硬貨は英雄ウィリアム・テルの頭像です。少し分かりにくいのは1/2フラン硬貨で、要は50サンチームなのですがデザインはフランと同じで、サイズだけが極小となっています。

スイスフランは世界の通貨の中でも随一の安定度を誇る通貨として知られていて、スイスを取り囲むEU諸国がユーロを導入した後もその地位は揺るがぬものとなっています。この安定性もあって、1874年以降発行された硬貨は、140年近くその単位(=価値の増減が殆ど無い)と基本デザインは変更されていません(変更された点は素材や、ギザギザの有無などの軽微なもののみ)。

日本円からスイスフランへの両替は日本国内であれば主要銀行の他、外貨両替を取り扱う窓口で可能です(紙幣のみ)。ただ、両替レートは現地銀行や両替所のほうが良いので日本で多額を両替して持って行くメリットはありません。特にチューリッヒ中央駅や空港駅構内の両替所などでは硬貨両替も行ってもらえる場合があるので利用価値は大。

EU諸国のユーロ導入後はスイス国内でもユーロがスイスフランと同じように利用できるケースが殆どです。ジュネーブなどではバス(TPG/Unireso)の自動発券機などでもユーロの硬貨が利用可能になっているケースがありますが、基本的にはユーロ支払いの場合お釣りはスイスフランで戻ってきます。

画像提供: スイス政府観光局 / www.myswiss.jp
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